学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜男子校のススメ〜
ハマると止まらないネット世界
パソコンルームの前でかかとのつぶれた上靴を脱ぎ捨て、そのまま薄い灰色の絨毯を歩く。
白の絨毯に設置されたパソコン。
このエリアにある10数台のパソコンが【キューピッド】専用のパソコンらしい。
放課後早々だというのに、パソコンの前には何人もの男がむさ苦しく集まっていた。
「……帰っていい?」
こんな奴らと同じところにいたくない。
彼女ほしいのが必死すぎて逆に引く。
「まぁまぁ……、ほらちょうど2台空いてるし」
あほらし……。
「俺は恋愛する気なんてねぇし、彼女もいらねぇ。
愛なんて信じてねぇし、女自体信用できねぇ」
「おいおい、翔?それはここでは禁句だろ……」
友人の言葉に周りを見ると俺を冷めたような目で見ている。
“興味ないなら来るなよ”
“どうせお前には彼女できねぇよ”
なんて声が聞こえてきそうなほど、キューピッドに熱中する奴らは死んだ目をこちらに投げかけていた。
「うっ……」
「ほら、翔も座って、電源入れてみろ」