花の傭兵
今度は侍女たちが盆に食べ物を載せて運んできた。侍女たちは裸ではなく、頭と翼だけ出た薄い布の服を着ている。

やれやれ、やっと食べられる。

ローズが串に刺さった鳥に手を伸ばそうしると、いつの間にかそばにきていた侍従らしき男に手をはたかれた。

「痛い、何で?」


「わたくしがお毒味いたします」

男はローズたちめいめいのお盆から一つずつ何かを取って食べ始めた。そして、食べ終えると一礼して去っていった。

「ではゆうげとしよう」

それまで片隅に座っていた吟遊詩人が立ち上がって前に出て歌を奏で出した。

吟遊詩人はララミーの民ではなくマントにチュニック姿だ。


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