花の傭兵
「お腹すいた。それに暑い」

ローズは暑さのせいかマントを脱いで手に持っていた。

「さっき、案内所の横の売店で買って食べただろう?」

「あんな固焼きパン一個じゃ全然足らないわ」

「また、女の子言葉になってるぞ。この羊皮紙に記入して入学の手続きをしたら酒場に行くから少し待て」

ローズはバードが羊皮紙に文字を書くのを珍しそうに見ている。

「ん!文字が書けないのか?」

「小さい時に国で習ったけど、違う国にきて書く文字が違うからわからなくて…そして昔、習った文字も書けなくなっちゃった」

「傭兵の学校だって学科はあるぞ。読むのもダメか?」

ローズは困った顔をして

「故郷の文字はまだ読めるけど、他のはダメ」

「俺が教えてやるしかないな。週末の休みにバーリン村かトーリス村のどちらかで勉強しよう。ララミーの民に飛んでもらえるように頼もう」

「う、うん」

文字も勉強しなきゃいけないのか。剣だけだと思ってた。

バードは羊皮紙に記入を終えて案内所に提出した。


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