花の傭兵
「……」

キイスが小さく吐き捨てた。

「えっ、何か言った?」

ローズがキイスに聞き返す。

「あっ、あの死人の悪口を言ったんですよ。こんなところさっさと抜けてあいつと別れたいもんです」

「そんなにエルフって嫌い?」

ローズは不思議そうに聞いた。

「えぇ、これは先祖代々伝えられてきたんですよ。どのドワーフもそうなんです。当然向こうもそうだと思いますよ」

「そうなの」

ローズにはよくわからなかったがそれ以上聞くのは止めた。

「さあ、出発だ。剣はすぐに抜けるようにしとけよ」

バードの号令でみんな立ち上がり左側の道に足を進める。

しばらく進むと道は狭くなって這って進むしかならなくなった。

みんなのブツクサ言ってる声が聞こえるくらいの団子状態になりながら進む。

「出口だ」

少し先に出口らしい穴がぽっかりあいていた。

「ちょっと待っててください。見てきます」
鬼火はゆらゆら先に漂っていった。

しばらくして戻ってきて

「この先の道が崩れて崖になってます。何かを使って下に降りなければなりません。そこからは立って歩けます」

「ララミーの民に運んでもらおう」

バードが答えた。



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