花の傭兵
「なるほどそうだったんですか。大変でしたね」

スワローが温かいタンポポ茶を片手にうなづいた。

「大変は大変だが、なんでクモの糸を下に下りたんだ?」

バードが焚き火に木を一本投げ入れ聞く。

「うーんと、なんでだろう?女のカンかな?」

「皆さん、あたいは学校へ行ったほうがいいのかな?」

キョウコが立ち上がって一同に聞く。

「死神王の話だとそうしないと黄金の国のニッポンにいけないみたいだしな」

キイスが頭をかいていった。

「ニッポンは遠いよー」

鬼火の姿のアールジーンが焚き火の火を吹き消していった。

「焚き火を吹き消していくやつがあるか」

バードが火打石を取り出して火をつけ始める。

「一緒に学校に通いましょう」

ローズも立ち上がってキョウコの手を握った。

「妖術か剣術かどちらが向いてるのかね?」

キイスも火を起こす手伝いをする。

「それはあの老婆がわかるはずです。まだ外は明るいはすです。これから洞窟を出て老婆のところに行きましょう」

スワローはそう言って自分の背中の羽根を一本抜いた。

「これにある液体をたらすと魔法がきいて洞窟などから抜け出れるんです。羽根が減るのでめったに使わないんですがね」

懐の袋から小瓶を取り出して羽根にたらす。

「便利なものだな。さてと、あの老婆に会いに行くか」

バードが立ち上がると他の皆も立ち上がり、手早く荷物をまとめ、火を消して脱出の準備をする。

スワローが羽根を一振りすると一同の姿は消えた。




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