Deep World


いつも何かと私に、つっかる奴−…。


「ライトくんだ〜!!」

結衣がポンっと手を叩く



「結衣ちゃん、コイツといると馬鹿になるよ。」

フッと笑い、來斗(ライト)は自分の席に着いた


「ライトくんって、杏奈の事好きなのかな?」とか、ひそひそ声で周りが言う

別にライトも私の事なんで何とも思わないだろう


何かあるなら直接言えばいいのに…



「…周り気にしなくてもいいよ。」

結衣が私の耳元で言う


「ありがとう。」

別に気にしてないと言うのは嘘だけど、気にしてたらきりがない



自分の席に座る


「杏奈ちゃん…これ。」

こ、これって…何で!?



「…何、…これ。」

私の前に立つ不敵に笑う女の子


「うちのパパなの。」

パパ…?あ、あんた…
もしかして名前は


「杉並マイ…杉並ってアンタの父親?」

彼女の手には、あの杉並とホテルに入る姿を撮った写真があった


「杏奈ちゃん…私と一緒に組まない?」

不敵に笑う所が父親と似てるかもしれない


影にいる存在で、いつも1人でいる女の子

私と同じ偽りの名前の女の子『マイ』



「ちょ…、誤解だって。」

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