GOAL
私は宿舎に戻って、建物の中を走りまわって探した。
食堂、彼の部屋、それぞれのチームメイトの部屋…
宿舎の職員さんにも聞いてまわった。
だけど、誰も彼を見てなくて、宿舎の外へでたんだ。
廊下の片隅にあった暗い階段に気付かずに…
宿舎を出ると、目の前に人が立っていた。
「なんで…」
どうしてこの人がここにいるの…?
「あんた、ここのマネジャーなんだってな。」
「…なんか用でもあるの?」
「ふーん、あん時と全く変わってねぇな。
3年前のあの時から。」
ビクッ
『3年前のあの時』
それは紛れもなく、彼が大怪我をした時のこと。
そう、私の前には、彼に怪我をさせた張本人が制服姿で立ってたんだ。