GOAL
全然届かないけれど、私は背伸びをして彼を抱きしめた。
「もういいよ…
もう責めなくていいよ…」
ずっと誰にも言えずに、抱え込んできたんだよね…?
背負って戦ってきたんだよね…?
気づけなくてごめんね…
ずっと坂木は強い人間なんだって思ってた。
だけどホントは、誰よりも弱い人なのかな…?
ううん、今は誰よりも弱ってるだけだよね。
今もまだ、何かに怯えてるの?
震えてるの?
「坂木は悪くない。
誰のせいでもないんだよ…」
私の頬を涙がつたった。
ねぇ、力になれるかわからないけど、
だけど、だけど…
「わかんないよ。
坂木の気持ちなんてわかんない。
だけど、わかりたいって、教えて欲しいって思うのは迷惑なこと…?」
力になりたいんだ。
君が大切だから。
君が好きだから。