GOAL
何も考えずに言ったことが、昨日言ったことと同じだったんだ。
恥ずかしいけど…、
すっごく恥ずかしいけど……
「だけど…わかりたいって、教えて欲しいって思うのは迷惑なこと…?」
最後の方は、自分でも何言ってるのかわからなかったけど、ちゃんと伝わったよね…?
見上げた私の唇に彼の唇が重なった…。
触れるだけで、あっという間だったけど、ちゃんと彼の気持ちが伝わった。
「お前も言えよ、聞いてやるから。」
唇を離した彼はこう言った。
「なっ…!
坂木だって言ってないじゃん!」
そうつっこんだ私に、
「俺はキスしたからいーの。」
って…
ずるい…
「てか、知ってんじゃん、私の気持ち。」
「俺、言われなきゃわかんないよ。」
…
あー言えば、こー言う…
あんたは何歳だよっ!
「まぁいいや。
また今度聞く。」
そー言って宿舎に戻ろうと背中を向けた彼に、私は言った。
「私は…坂木が好き……。」
言ってみてわかった。
心臓がバクバクで、こんなにも大変なことなんだって。
振り返った彼は、びっくりした顔をしてたけど、すぐに、
「知ってるっ!」
って笑顔で言ったんだ…。