◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆



ん?でも、なんであいつらが文化祭に?



俺が腕を組んで、突っ立っていると…



「お、孝兄達来たんだ。」



振り返ると、ウェイターの格好をした角が立って塚本達の方を見ていた。


こいつは、いつ何時でも現れてくるな。


俺の事、見張ってんのか?



「働けよ、ウェイター。」



オールバックがやけに似合う角に、皮肉っぽく言ってやった。


すると、角は俺の横にきて…



「沢っちだって、瞳が気になってるくせに。」


「お前っ…」


「孝兄が来て、喜んでらぁ…。」



角の言動が気になるが、角が見ている方向に、俺も目を向けた。



そこには、さっきのふくれっ面なんか無かったかのように…嬉しそうに塚本を見上げて笑う沖田の姿。



・・・・。



なんであんな笑顔…。。



塚本を見つめる沖田のその嬉しそうな笑顔は、俺や…角に向けるそれじゃなく、



まるで、待っていた好きな人が来てくれた時のようだ…。。



そんな沖田をあやすように、沖田の頭に手を置く塚本。



そんな塚本を見て、どうしようもなく…



嫉妬心が現れた俺。



あの2人は兄妹みたいなものなのに…。




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