◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆



俺は角の頭にゲンコツを一発お見舞して、教室から出た。



これは体罰なんかじゃないから。
スキンシップ②。。



とりあえず、一通り校内を回ると俺は1人…体育教官室へ向かった。



鍵を開けて、中へ入るとソファーにドカッと座った。



お祭り騒ぎの校内でも、ここは放課後のように…静かだった。



とりあえず、1人になりたかった。



沖田のことを、いつの間にか目で探してしまって…。



そんな自分が苦しくて…どこか1人になれるところで閉じこもっていたかった。



楽しい文化祭は…


苦しい文化祭でもあった。



だって、嫌でも男子の視線を浴びる沖田を見たくてはいけなかったから。



その上、後輩である塚本は…沖田を独り占めしてるから…。



口に出して言えないが、


俺だって沖田を独り占めしたい。



だけど、出来ない。



俺は先生で、沖田は生徒だから…



それはどうやっても、ふるい落とせない事実なんだ。




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