◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆



そうなのか…。


やっぱり沖田と塚本はそういう仲なんだよな…。


それから、昼休みが終わるギリギリまで3人はぺちゃくちゃとしゃべって教室へと戻っていった。



午後の授業がなかった俺は、教官室でファイルやら名簿の整理をしながら…



ひとり、考えていた。



想像もしたくないのに、ふと頭に浮かぶのは…沖田と塚本が重なりあった場面。



優しい塚本は、沖田を優しく丁寧に愛するんだろう。



沖田は、塚本のまえで…どんな声をあげるんだ…。。



どんな顔で塚本をもとめるんだ…。。



バサバサ。。


いつの間にか、積み重ね過ぎたファイルの山が、机の上から崩れていった。



ハァ…。


腰をかがめ、散らばったファイルを集めながら…やり場のない、沖田への思いが胸を締め付けていた。



「何で…。


何で、塚本なんだよ…。」



嫉妬でもない、諦めでもない、闘争心でもなければ、認めたわけでもない。



複雑な気持ちを抱えたまま…やらなげればならない仕事を、淡々とこなしていった。




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