◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
“私は孝幸専属…”
痛いとこ突くよな…沖田は…。
俺の気持ちを知っててわざとそんな事を言って突き放されるより…
何も知らないで、そう無邪気に言ってる沖田。
その方がよっぽど…キツいな。。
いっそ好きだって言ってしまったほうが楽になれるのか?
俺は、そんな事を思いながらレジを済まして、店を出た。
「先生!」
呼ばれて振り返ると、沖田が店の入り口のベンチで座っていた。
え…何でだ?
「どうした沖田?」
沖田は俺の車の前まで走ってくると、買い物した袋から…
「はい、先生あげる。」
俺の手に乗せたのは、
「レモンウォーターのアイス?」
「新発売で、見つけたから私のひとつ分けてあげます!先生、レモンウォーター好きだったから。」
「へぇ、アイスか。…サンキュ。」
「いえ、じゃあ私はこれで!」
「あ、送ってってやろうか?」
「大丈夫です。すぐそこですから。」
「そっか。…じゃあな!」
車のなかで俺は、レモンウォーターのアイスを見つめながら、意味なくガッツポーズ。
てか、こういうのナシだろ。
また好きんなっちまうだろ…。。