◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「ハァーー。。出来たぁ。。」
「ん。お疲れさん。もう暗くなりだしたから早く帰れよ?」
「はぁい。」
俺はサッカー部のファイルを手に取り、沖田にそう告げた。
沖田は、返事をすると猫みたいに伸びをしてからスクールバックを手にとった。
そして、教室のドアの所まで行くとくるっと俺のほうを振り返り、
「先生、さようなら!また明日!」
そう言って、笑顔を見せた。
沖田のその明るい笑顔をみて、俺は………ドキッとした。
一瞬言葉が出なかった。
な、何、ときめいてんだよ俺…。
「おう、気ぃつけて帰れよー!」
そう言って軽く手を振った。
沖田はニコニコしながら、俺に手を振りかえして教室をでていった。
「…なんでドキドキしてんだよ。」
ぽつりとそんな言葉をつぶやいた…
誰もいない静かな教室には、意外によく響いた。