◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
俺はとっさに沖田から顔をそらした。
やべぇ…
今、恥ずかしいくらいキュンとした。
沖田ぁ…今のまじ??
「先生?」
背を向けたままの俺に、沖田は不思議そうに聞いてきた。
気持ちを落ち着けて、沖田の方へ顔を向けた。
今のは、自惚れていいのか?
教師の俺をそんな風に心配してくれる…
ちょっとは俺のこと、特別にみてくれてるってことか?
「何で俺を…心配してくれんだ?」
こんなこと聞くのも変か?
「先生は、私達の大事な先生だから、先生が悩んでたら、先生の力になりたいですから。」
沖田はフワッと笑ってそう答えた。
生徒だって忘れてしまいそうなくらい、優しい表情で…。
この時、俺は正直言って沖田になら話してしまいたいと思った。
俺の引きずった失恋を…。
それくらい、今の俺は沖田の優しさが心にしみた。