◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
そして、大学3年の時…
「奈々、ちょっといいか?」
「どうしたの?修二。」
午後の講義が終わった奈々を待ち伏せして、声をかけた。
そして、俺と省吾、奈々の所属する…
『恋愛研究サークル』の部屋へ。
――――――――
「俺、奈々が好きだ。」
誰もいない、恋愛小説やらが散らばるテーブルに腰かけ、背中を向けたまま、
俺は奈々に思いを伝えた。
照れくさいからストレートな表現でしか伝えられなかった俺に…奈々は...
「私も、…修二が好き。」
同じように、ただただストレートに返事を返してきてくれた。
そのあと、お互いにそっと抱き締めあったのを…今でも覚えている。
それから、恋人として付き合い始めた俺と奈々は…周りが羨むくらいに幸せな愛を育んでいった。
順調だった。
小さな喧嘩があっても、お互いに自然と許し合って…仲直りもした。
大学を卒業した頃には、2人の絆は……切っても切れない固いものになっていた。