◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
奈々は、一般の輸入などを専門とする企業へ就職。
俺は、今の柳高校へ体育保健の教師として就職。
お互いそれぞれの分野を尊重した仕事へついた。
慣れない仕事に戸惑い、悩んだ頃もあった。
でも、そんな時にも…支え合って乗り越えてきた。
それから1年くらい経ち、お互いに仕事にも慣れ始め、やりがいを感じるようになった頃…
俺と奈々は、同棲を始めた。
同じ場所で寝起きし、飯を作って、一緒に食べる。
お互いの色んな部分を日々、発見したりして…
付き合って3年目の俺達にとって、同棲生活は…新鮮なものだった。
そして、その頃…
大学を卒業する直前、語学留学すると言ってドイツへと旅立って行った省吾が…日本へと帰ってきた。
それからまた、俺と奈々、そして省吾の3人というメンバーで飲みにいったりするようになっていった。
ドイツへ留学した省吾は、大人に成長していると思っていた俺達は…大学時代と変わらないままの省吾を笑った。
でも、省吾の中ではもう…何かが変わっていた。
それに俺は気がつかなかった。