◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
今の自分
話終えた頃には、すでに辺りは暗くなっていた。
俺と沖田は校舎の方へと歩いていた。
あんな過去のカッコ悪い恋愛話を、生徒にするなんて…やっぱり教師としてあるまじき行為だよな。
それに、何か隣りを歩く沖田の表情が…気のせいか少し、沈んでいるような…
「ごめんな!あんな話して。忘れてくれな?全部。」
俺は笑顔を作って、なるべくいつも通りに沖田にそう言った。
すると沖田は、おもむろに俯いていた顔をあげると…
「先生っ・・・……」
「すっかり暗くなっちまったな。仕方ない、送ってってやるからちょっと待ってろ。」
何か言いかけた沖田を遮って、俺は走って職員室へ荷物を取りに行った。
今、沖田に何か言われたら…
俺は確実に…泣いちまう。
カッコ悪いが…それくらい今の俺の心は、昔のようにもろくなってる。