◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
それと同時に赤へと変わった信号。
スピードを緩め、止まった車…
「過去の自分をみて、先生が今どう思うか…今の先生が、奈々さんや親友の人をどういう風に見るのか…。」
どうしてだろう…どうしてこんなに沖田の一言一言が俺の心に問いかけてくるんだ。
まるで、沖田は俺の心に直接触れているんじゃないか・・・
そんな風な錯覚を覚える・・・
「不思議なんだ…招待状を手にした時、俺は心のどこかでホッとしたんだ。」
正直なところ、
“あぁ…やっと終わるのか。”
そう思ったんだ。。
きっと、自分の中で…
まだ奈々を悲しませてしまった罪悪感が
張りついていたんだ。
招待状をみて、そんな罪悪感から解放される…奈々は幸せになれるんだ。。
そう思って、ホッとしたんだ。
「先生、ここでいいです。」
「あ、あぁ。そうか。」
沖田の声にハッと我に帰った俺は、すぐ目の前に見える沖田の家をみて車をとめた。