◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「先生…?」
キョトンとした表情で沖田は、俺をみた。
涙が拭かれた目は…かすかに赤く潤んでいた。
俺は何も言わず、沖田の隣りに行き近くの机に腰をかけた。
そのまま、灼けるように赤い空を…眺めた。
「沖田…お前なんか、悩んでんのか?」
「え…?」
「嫌な事でも…あんのか?」
沖田は、俺が突然こんな事を真面目な顔して聞いてきたから、驚いて目をぱちくりさせていた。
そんな表情に…俺の胸はどくんっと高鳴った。
こいつ…可愛いすぎだろ…。。
「どうしてですか?」
「お前がいつも、部活がない放課後…教室でその、泣いてるの知ってっから。」
俺が言いにくそうにそう言うと、沖田は少し笑いながら…
「先生に見られちゃってたのかぁ…」
そう呟いて、窓の外に目を向けた。
その綺麗な横顔を俺は…見つめていた。
教師が生徒に対して向ける目なんかじゃない。。
もう…気づいてしまった。。
俺が沖田を見つめる時の目は…
――愛おしく見つめる目だ…。。
沖田を見つめる時に感じるこの思いは…
――恋だ…。。