◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「昨日、あいつ等の結婚式…最初は出ないつもりだったんだ。」
俺はそう、話を切りだした。
沖田が俺の方を向いた。
「悪い、また先生って事忘れて聞いてくれないか?」
俺は少し笑って、沖田に聞いた。
すると沖田は、何も言わず…微笑みながら頷いた。
「それで、沖田に話した時…お前、言っただろ…大事なのは、今の気持ちだって。」
そう、過去を引きずる俺に言った沖田の言葉。
過去は過去、大事なのは俺の今の気持ち。
俺はそんな沖田の言葉に、気づかされたんだ。
「それで考えたら、簡単だった。答えが出たのは。…省吾と奈々の幸せを誰よりも願ってるのは、俺だった。」
一度は恨んだ親友、恋人。
でもそれ以上に…大切だった親友と恋人。
「あの2人、変わってなかった。顔見て、安心した自分がいた。」