◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「私…孝幸と、約束してたんです。
ずっと、孝幸を待ってるって。」
沖田と塚本の約束・・・
それを聞いた時、俺は…最初から自分じゃだめだったと思った。
沖田は、塚本がロンドンへ行ってる間の3年間…塚本だけを想って待っていた。
その時、塚本もロンドンで沖田だけを想い続けていた。
こんな2人の愛に、誰が勝てるというんだろうか。
きっと、そんなものないんだろう。
俺なんか、奈々1人愛し抜けなかった男なのに…。
「寂しくなかったのか?他に好きな奴ができるとか。」
当たり前に、寂しかったと思うのに…それを聞いた俺。
すると沖田は、俺の顔を見ると…
「寂しいって泣いちゃった時あったけど、それでも…好きでいられたんです。孝幸だけを。今もですけど。」
「じゃあ、あの時泣いてたのって…」
「我慢してたんですけどね?この紫色になった空を見ると、どうしても泣いちゃうんですよね…。そういえば、先生が初めてでした。」
「何が?」
「泣いてたの、見られちゃった人。」