◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
沖田はそう言ったけど、
きっとそれは違う。
俺より先に、沖田のそんな泣き顔を見ていたやつがいる。
お前をずっとそばで守ってたやつが…。
担任とか年上とかお構いなしに、生意気にたてついてくる…幼なじみって奴が。
「なぁ、最後に1つ聞いていいか?」
「はい、何ですか?」
すっかり赤く染まってしまった空を見たまま、俺は…生徒である沖田に聞いた。
「今、幸せか?」
たったこれだけでいい。
俺の望む答えが、
沖田の口から聞けたら・・・・
「幸せです♪」
今までで一番、キラキラした笑顔でそう言った沖田。
また1つ、生徒の笑顔が俺を元気にしてくれた。。
今、隣にいるのは…
好きな女じゃない。
好きだった女…
いや、俺の可愛い教え子だ。