◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「沖田、俺はお前の担任だ。いくらでも話聞いてやるぞ?」
そうだ。俺は沖田の担任だ。生徒の話を聞くのは当たり前だ。
「…大丈夫ですよ。ちょっと、色んな事があって…」
そう言って沖田は、いつもの笑顔を見せた。
俺は、それ以上何も聞かなかった。
何故か沖田の表情は、あまり触れられてほしくないようだった。
「ま、なにかあったら先生に話せ。分かったか?」
「はい。」
俺はそっと、沖田の頭をポンとした。
「先生!」
「なんだ?」
「ありがとう!」
「あ、あぁ。。何もしてないけど。」
「先生が担任の先生でよかったぁ…♪」
・・・!!
沖田はそれだけ言って元気よく帰って行った。
教室に、ほんのり…甘い香りを残して。
「…ッたく、反則だろ。」
一人、夕日に負けないくらい顔を赤く染めた教師がいた。
………俺だけど。。