◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「ここだけの話…」
中川先生は静かにそう言った…。
「私…婚約破棄されて、ショックで生徒の前で、泣いてしまって…」
中川先生は恥ずかしそうに、笑った。
まじか…。
生徒の前で?
「それで…先生はどうしたんですか?」
「私が泣いてしまったのをみて…その生徒はただ…私が泣きやむまで、慰めてくれたんです。生徒にそんなところ見せちゃったのはカッコ悪いですけど…私、それで救われたんです。…本当に。」
俺は思った。…もしその生徒が男子生徒だったら、きっとその男子は…中川先生に恋をしてるんだと…。
だって…いくら目の前で教師が泣いてしまっても…泣きやむまで一緒にはいないだろ。
俺だったら、その場から離れてそっとしておくだろう。
「生徒って…私達が思ってるより、ずっと大人なんですよね。。」
「…そうなんですかね…。」
俺らが思ってるより、大人か…。
沖田も、俺が思ってるより…大人で、俺より、大人なのかもしれないな。