◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「ファーストキスはレモン味ってよくいうよね、先生?」
「あぁ、確かによく聞くなぁ…。でもそれって、甘酸っぱい気持ちのたとえなんじゃないか?」
俺がそう言うと、沖田は首を傾げて不思議そうな顔をしていた。
「レモンって酸っぱいだけですよ?」
「沖田は恋して甘い気持ちにはならないのか?」
「なります。」
「だけど、ファーストキスを迎えるような時期の恋って、甘いだけじゃないだろ?だから、酸っぱいレモンに甘い砂糖をかけたようなもんだろ。」
なんか、俺らしくない発言だ…。
なんかおかしいぞ…今日の俺。。
隣りにいる沖田のせいか…?
「わぁ…先生ってなんかすごいね。恋心が分かってる…もしかして、先生今恋してる??」
ば…はか、そんな可愛い顔してそんな事聞くな…。。
「な、内緒!…ほら、サッサと部屋に戻って寝ろ。明日の朝、沖田を目覚まし係にするぞ!」
「え~。。やだ。。先生お休みなさい」
俺の半分冗談、半分本気の提案に…沖田は笑いながらそう言って、コテージに戻って行った。
その後ろ姿を見つめながら、甘酸っぱい気持ちに浸っていた。