◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
教官室の空気が、重苦しく感じた。
じっとしていられなくなって、俺は開け放った窓際まできて、悔しいくらいの青空をみた。
そんななか、再度沈黙をやぶったのは、角だった。
「気付いてないとでも思った?バレバレだって俺には。」
「…そう…か。」
「安心しなって沢っち。他のヤツにはバレてないと思うから。」
「どうして分かったんだ…?」
俺は、重い口を開いて角にそう聞くと…
「沢っち~、俺…何年瞳の幼なじみしてると思ってるわけ?こんだけ近くにずっといれば、瞳に好意をもってるヤツくらい分かるようになるって。」
確かに、角と沖田は小さい頃からの幼なじみだって…石川達も言ってたしな。
「そうだったな。お前いつも沖田にくっついてるもんな。」
「は?違うし、瞳がくっついてくんの!」
「フッ。はいはい。」
俺がそう言って笑うと、今バカにした!とか何とかムキになって怒る角。
こんなとこは、まだまだガキだな。