◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「瞳さぁ、紫色の夕日をみて泣いてたでしょ?」
「あぁ、確かにそうだった。」
「やっぱな。…瞳にとって、その紫色の夕日は…特別なんだ。」
「特別?」
「うん…多分、瞳のやつ寂しい思いで、泣いてたんだろ…。」
「寂しい思いって…両親が海外に出張とかでか?」
「いや…。」
「だったら、何で…」
俺は、そこまで口に出して…気づいた。
両親に対しての寂しい思いじゃないとしたら、友人関係…、いや…沖田の周りにはいつも石川達がいる。
きっと友人関係でもない。
だとしたら、ただ1つ。
「好きな…奴に対してか…?」
自分でも驚くくらい低く落ち込んだ声だった。
角は、何も言わずただ一度、頷いた。