◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「別に、沢っちの恋を邪魔するわけじゃないけどさ…」
角はそう言って、立ち上がったかと思うと・・・
「瞳の心はもう、他の人のものになってんだ。あいつは、ずっとその好きな奴だけを想い続けてきた。」
そう言って、教官室のドアに手をかけた。
俺は、角を呼び止めた。
「その男って、どんな奴なんだ?」
俺がそう聞くと、角はくるっと俺の方を振り返ってこう言った。
「一言で言えば…最強の男…かな?」
何故か、自分のことのように、自信に溢れた表情で。。
「最強の…男。」
角が出ていった教官室には、俺のその一言が…響いた。
沖田が想いを寄せる男って、どんなやつなんだ。
最強の男…
そんな男が、女に寂しい思いをさせて、涙を流させるのか?
許さねーよ。そんなやつ。
俺だったら、沖田にあんな寂しそうな顔させたりしない。
俺だったら、沖田に涙なんて流せたりしない。
俺だったら・・・
沖田?
俺がお前の隣りにいちゃ…駄目か?
俺がお前を抱きしめてやるのは駄目か?
俺がお前の心を独り占めには…できないのか?