◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
「よっ、沖田。ちゃんと課題やってきたかぁ?」
「あ、先生久しぶり!当たり前じゃん。ばっちりやってきたよ!」
久々に見た沖田は、少し美人度が増したように感じた。
気のせいだろうか…。
何というか前よりもっと、笑顔が輝いてみえる…。
「先生、海とかいった?」
「行ってねーよ、先生は忙しいの。」
「そうだよね~。私行ったよ。ほら。」
沖田は肘まで折り返していたシャツを、肩までまくりあげて、少し焼けた二の腕を俺に見せた。
くそ…そんな無防備に二の腕なんか見せるなよ。
ドキドキしちまうだろ。
「おうおう、いい焼けっぷりだな。」
「先生は、それ地黒でしょ?」
ニヤっと笑った可愛い沖田のデコに、軽くデコピンをした。
ちょっと怒る。
でもその怒った顔が、余計に俺を惹きつける。
新学期が始まってすぐに、沖田への気持ちが膨れ上がる。
だけど、これを抑える事はできない。
いや、もう抑えることはやめる。
角の言っていた沖田が想いを寄せる男なんかより、沖田のそばにいてやれるのは・・・・俺だ。