◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
そう思いながら、ふと視線を落とすと…
「ん?」
メイド服の掛かったハンガーラックの端にキラリと光るものが見えた気がした。
近くに行くと、それは…
「あ、あった。沖田、これか?」
俺はそれを手にとり、沖田の方に掲げた。
すると、沖田は一瞬にして明るい笑顔を見せた。
今までに見たことのないくらいの、嬉しそうな表情。
「それです!良かったぁ…。。」
俺は沖田のそばまで、歩み寄った。
そして、そのまま…
「先生?」
沖田の後ろへ回って、ネックレスを沖田に付けた。
そして、長くて綺麗な髪をネックレスの外へ出してやる。
そして沖田の肩をつかんで、俺の方へ向かせた。
沖田の胸元に、光る赤い小さな石のついたクロスのネックレス。
そのまま、沖田を見つめた。
そんな俺を、不思議そうに…上目遣いで見上げてくる沖田。
駄目だ。このままじゃ、歯止めがきかなくなる。