初彼は先生。
初恋、失恋
―中学3年生 春―
新着メール 一件
「絵梨から聞いた話なんだけど、
川上、真理とは付き合えないって。」
中2の冬、春休み前の終了式で、私は人生で初めての告白をした。
それも手紙を好きな人の友達に託して渡してもらうという方法で。
それでも必死だった。
そして、返事をもらったのは春休みが明けた中3の春。
私の初恋は、こんな終わり方だった。
不思議と、悲しくなかった。
すぐに受け入れられた。
諦められた。
引きずることはなかった。
想像していた失恋は、もっと悲しいものだと思っていた。
しかし、そのときの私は、とても爽やかな気持ちだった。
この恋は叶わなかったけど、
それでよかったのだと今は思える。
この恋をしてよかったと思う。
だって、この恋がなかったら今の幸せはなかったかもしれないのだから。
今愛しいと思う人―
先生に出会えたこと。
それは一生の宝物だ。