初彼は先生。
比奈はそのあと結局ひとりで槙原先生のもとへ向かい、楽しそうに話していた。
周りの子達の視線が鋭いが、大丈夫だろうか…
陽菜は相変わらず大林先生と嬉しそうにしゃべっている。
「真理、あたし中原先生のとこ行ってくるね」
「わかったー。頑張れ」
うん、といいながら小走りで中原先生のもとへと向かう利奈子の姿を見ながら、
私だけおいて行かれたようで妙に寂しい気持ちになっていた。
「あれ、一人?利奈子ちゃんは?」
先生だ。
「うん。利奈子達みんな他の先生のとこ行っちゃった」
私がそう言うと、先生は私の肩にポンと手をおいて、
「じゃあ、真理ちゃんは俺がボーリング教えてやろ」
と言った。
私がチラッと先生がいたほうのレーンをみると、先生とペアだと言っていた高校生の女の子と目が合った。
「そんなのいいよー」
その視線が少し気になって、私が断ると先生は笑いながら、
「真理ちゃんのさっきのゲーム、ガーターばっかだっただろ?
俺ずっと見てたからなー。誤魔化せねーぞ!」
なんていいながら、私のボールを取ってきた。