初彼は先生。
結局一回も勝つことはなくて、なんの賞も貰えなかったけど、スコアは伸びた。
「真理ちゃん上手くなったじゃん」
そう言ってにこにこしている先生を見ていると、ほっとした。
ボーリング大会はここで終わりで、その後は帰る人は帰り、残ってゲームセンターで遊ぶ人は遊んでいた。
私は、利奈子、陽菜、比奈がそれぞれの好きな先生とプリクラをとりたいと言うのでみんなと一緒に私もプリクラをとることになった。
でも…
「あたし、ひとりぼっちじゃん」
好きな先生と言える人がいない私は、完全にアウェー。
やっぱりいいや、と言おうとしたとき。
「真理ちゃん」
振り向くと、中原先生と利奈子、
…と佐野先生。
「真理だけ一人だとかわいそうだと思って佐野先生連れてきたんだよっ」
正直、利奈子の気遣いが嬉しかった。
「かわいそうとかっ!でもでもありがとね」
利奈子の耳元でお礼を言った。
「まじで佐野先生のこと狙っちゃえば―?
いま真理好きな人いないんでしょ?」
「もーっ。あたしはしばらくは恋はいいのっ」
そんなことをいいながら、先生たちのもとへと向かった。