初彼は先生。
古傷
季節は秋。
木々は色づき、風は次第につめたくなってくる。
散りゆく枯れ葉と共に、心の中も吹かれていくようだった。
春の失恋は、泣かなかったし、引きずってもいない。
でも、多少は
多少は傷ついてたと思う。
だって、1年半の間ずっと好きだったから…
だから、もうつらい思いをするのは嫌だった。
片思いの辛さはもうたくさんだった。
利奈子に言ったように、ほんとにもう恋愛はこりごりだった。
先生への恋なんて、辛いに決まってる
叶いっこないし、先生が相手なだけに、私が好きってだけで迷惑だってかけかねない。
絶対にだめだ
気持ちがぐらついている自分に言い聞かせるように、何度も、何度もそう念じた。