初彼は先生。
塾につくと、すでに利奈子が来ていた。
とりあえず塾まで時間があったので、近くのドーナツ店に入って話を聞くことにした。
適当に注文を済ませ、私は話を切り出した。
「で、なんでばれちゃったの?」
利奈子は少しためらいながらも話し始めた。
「お母さんに先生に書いてた手紙見られちゃったの。
そしたら、あんた、この先生のこと好きなの?って聞かれて。
別に付き合ってるわけじゃないし、言っても大丈夫かなって思って言ってみたら…」
「塾減らせって?」
「うん…ぐすっ」
利奈子はそういって、また泣き出してしまった。
そんな利奈子を慰めながら私は、
やっぱり先生との恋は認めて貰えないんだなと思った。
「利奈子、とりあえず今日、中原先生にその事言ってみよ?」
「ぐすっ…うん」
利奈子が泣き止むのを待って、私たちは店を出て塾へ向かった。