お兄ちゃんは悪魔サマ
 


「それよりお兄ちゃん、こんな風に飛んでたら目立っちゃうよ!」

「あぁ……俺の毛ぇぇ……」

「男なら済んだ事をうじうじ言わないのっ!!」

「おまっ、男にとってハゲがどんなに怖いか解るか!?年と共に薄くなっていく恐怖!恐ろしい……」



さっき少しでもカッコいいって思ったの、取り消してやるっっ!

お兄ちゃんは相変わらずハゲについてブツブツ。




「そんな事より!!空飛んでるの見られたら大騒ぎになっちゃうってば!!」

「ああ。それならお兄ちゃんの魔力で見えないようにしたから、大丈夫だ」

「……へぇ。そんな事も出来るんだ」

「まぁ悪魔サマだしな、フフ」

「他にはどんな事が出来るの?」



最初は半信半疑だったけど、今は興味津々!
悪魔なんて、そうそう会えるもんじゃないだろうし!

しかもそれがお兄ちゃんなんだから尚更!




「後はな、金縛りで動けなくして、モミモミとかなぁ〜」



目の前で鼻の下を伸ばし、だらしない顔したお兄ちゃんが、何かを思い出すかのように手を動かす。




「お兄ちゃん……昨日はモミモミした?」

「ああ、したぞ!唯もずいぶん育ってたな。お兄ちゃん感動したΣバキィィッ

「ど変態っ!!」





容赦なく拳を食らわせたお兄ちゃんの頬は、しばらく赤かった。


自業自得だっ!!



 
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