お兄ちゃんは悪魔サマ
*悪魔*
その日はいつもより、ちょっとくすぐったい気持ちで学校に向かった。
あれだけ悩んでいたにもかかわらず、開き直ってしまえばどうとでもなると思ってしまえる。
もう迷わないと決めたから――
いつもの様にしているつもりだけど、やっぱり何かしらオーラ?が出ているらしい。
「唯、良い事あったでしょ」
「何か幸せそうな顔してる」
仲の良い友達からは、口々にそんな風に言われてしまっていた。
私ってそんなわかり易いのかな?
……なんてボーッと思っていた。しかも5限目の体育の授業中……
「唯っ!危ない!!」
「えっ?」
ドカッ
奇しくもその日の授業はバレーボール。
隣の男子側のコートから、凄い勢いで飛んできたボールが後頭部に直撃……
私は気を失ってしまったらしい。
気づくと、真っ白な色が目に飛び込んできた。
まだ少し痛む頭を擦りながら、上半身を起こす。
「ここは……保健室?」
閉められていたベッド回りのカーテンが開けられる。
「よぉ、気づいたか?」
「……誰ですか?」
保健の木村先生じゃない……
この人は……?