お兄ちゃんは悪魔サマ
降り立ったのは学校の屋上。
時間は既に10時前。
授業はとっくに始まってる……
空を飛んでるのがすっごく気持ち良くって、しばらく空中散歩を満喫してた!
「はぁっはぁっ……お兄ちゃんは疲れたぞ、唯」
「それで昨日のモミモミ事件をチャラにしてあげるんだから、安いモンでしょ!」
「悪魔になりたての俺は、まだ魔力が少ないから大変なんだ!」
「じゃあ私教室に行くね」
「無視かよっ!!」
私は喚くお兄ちゃんを残して、1人さっさと教室に向かった。
少し階段を降りたところで、ニャアと猫の鳴き声が耳に入る。
お兄ちゃん、また猫になったのかなぁなんて暢気な事を考えてた。
突然、屋上に現れたお兄ちゃんと私。
それを物陰から見ていた人物が居たなんて、私もお兄ちゃんも全く気付いてなかったんだ……