お兄ちゃんは悪魔サマ
*恋人*
授業の終わりを告げる音がなる。
私は教科書なんかを片付けて、鞄片手に先輩のもとへ向かう。
今朝はお兄ちゃんのせいで変なとこ見られちゃったからなぁ。
突然いなくなった理由、何て説明しよう……
先輩と待ち合わせしてるのはいつも生徒会室。
先輩は生徒会副会長!
生徒会室に来ると、ドアをノックする。
「すみません、唯です」
「いいよ、入って」
「失礼しま……」
「ニャ〜」
ドアを開けて中に入ると、先輩の腕にはものすっごく見覚えのある黒猫。
「先輩、それ……」
「ああ、これ今朝の猫だよね。校内に入りこんでて俺の後つけてくるんだよ」
せっかく先輩との時間なのに……
「先輩、唯も抱っこしたい」
「はい、どうぞ」
「フニ"ャ〜!」
嫌がるお兄ちゃんを、むんずと掴んで引き寄せる。
片手で撫でるフリをしながら、もう片方の手で尻尾を握った。
そして先輩に聞こえないように、ひそひそ声で話した。
「お兄ちゃんが何でココにいるのよ!」
「可愛い妹の彼氏に相応しいかを、見極める為だ」
「いいから帰って」
私は尻尾を握る力を強くする。
「唯っ!尻尾はお兄ちゃんのピーーだぞ!優しく扱いてくれ!!」
「このっ……ど変態ー!!!!!」
バァンッと豪快な音を立てて、お兄ちゃんはドアにぶつかった。
勢いあまって、お兄ちゃんを思いっきり投げつけました。
しかも先輩の目の前で……
最悪……