お兄ちゃんは悪魔サマ
その夜、私たちは何度も求め合った。
お互いを確かめるように。
不安をかき消すように。
幾度となく愛しい人の名前を呼んだ――
そして、私は決心した。
お兄ちゃんを消滅させたりなんかしない……!
絶対……絶対に!!
翌日、私はいつも通りに学校に向かうと先輩の教室に向かった。
だけど、教室を見回しても先輩が見当たらない……
その足で生徒会室に向かうと、中から生徒会長と先輩の話し声が聞こえた。
「八城先生に?」
「ああ。それも1人や2人じゃないっぽいな」
「……先生方の間では噂になってないのか?」
「どう言う訳か……な。どうもおかしい気がする」
私は少し躊躇いながら、会話が途切れた所でノックをする。
コンコン
「……誰だ?」
「突然すみません。唯です。ちょっと先輩にお話があって……」
少しして扉が開けられ、中に通された。
「朝からどうした?」
「すみません。先輩と尚哉くんにどうしても話しておきたい事があって……」
私とお兄ちゃんの問題に、彼らを巻き込むのは間違ってるのかもしれない。
だけど、私1人じゃどうしようも出来ないから……