お兄ちゃんは悪魔サマ
結局、八城先生の事を伝えないまま放課後になった。
尚哉くんには先輩から連絡してくれたみたい。
「唯、行こう」
私は友達に別れを告げ、教室まで迎えに来てくれた先輩とともに帰ろうとしていた。
下駄箱で靴を履き替え、校門に向かっていると見覚えのある後ろ姿が……
「先輩……あれ……」
「尚哉?」
私と先輩は少し小走りで尚哉くんに近づいた。
「尚哉っどうしたんだ?」
「まだあの悪魔の事が気になっててさ、ついでだから来てみた」
「来てみたって……来てどうするつもりだったんだ?」
「そこまで考えてなかった。とりあえず探検?」
そう言って尚哉くんはさっさと校舎に向かってしまった。
「おいっ尚哉!」
私と先輩も慌てて後を追う。
ってゆーか、これで八城先生と鉢合わせなんかしちゃたたらどうなるんだろ……
校舎に入ったところで、尚哉くんはキョロキョロ周りを見回していた。
「尚哉くん、どうしたの?」
「微かだけど悪魔の気を感じる。でもアイツ……自分の気を操れるのか」
尚哉くんは、何かをブツブツ言いながら歩き出した。
そして、それは保健室のある方向だった……