お兄ちゃんは悪魔サマ



「っつかお前ムカつく!!」



突然喋り出したのは尚哉くんだった。先生は相変わらず余裕?の様子。




「仮にも俺はハンターだぞ?少しくらい警戒したらどうなんだよ!」

「……別にここで争う気はないし。それにお前ら、俺のことなんか気にしてる暇あんのか?」



先生はチラッと私を見た。

一瞬目が合っただけで、何もかもを見透かされたような気がした……




「どういう事だ……?」



まだ私の事を話せていなかった為、先輩も尚哉くんも首を傾げている。

先輩は冷静に先生の視線が私に向いている事を確認して、口を開いた。




「唯……ですか?どういう事です?」

「あぁ……まだ聞いてなかったのか。まぁ俺から言う事でもない。本人から聞いたらどうだ」



先輩と私の視線が合った。

どちらにしろ今日話そうと思っていた事だったけど……




「先輩、尚哉くん。とりあえず場所を変えましょう。そこでちゃんと話します……」



先輩と尚哉くんは渋々といった様子で頷く。




「んじゃさっさと帰りなさい。尚哉……って言ったっけ?俺を狩りたいならいつ来てもいいぜ。狩れるもんなら……な」



余裕の笑みを浮かべる先生に、尚哉くんは悔しそうに顔を歪めていた。

けれど、それ以上は何も言わずに真っ先に保健室を出て行った。



 
< 148 / 288 >

この作品をシェア

pagetop