お兄ちゃんは悪魔サマ
「っつかお前ムカつく!!」
突然喋り出したのは尚哉くんだった。先生は相変わらず余裕?の様子。
「仮にも俺はハンターだぞ?少しくらい警戒したらどうなんだよ!」
「……別にここで争う気はないし。それにお前ら、俺のことなんか気にしてる暇あんのか?」
先生はチラッと私を見た。
一瞬目が合っただけで、何もかもを見透かされたような気がした……
「どういう事だ……?」
まだ私の事を話せていなかった為、先輩も尚哉くんも首を傾げている。
先輩は冷静に先生の視線が私に向いている事を確認して、口を開いた。
「唯……ですか?どういう事です?」
「あぁ……まだ聞いてなかったのか。まぁ俺から言う事でもない。本人から聞いたらどうだ」
先輩と私の視線が合った。
どちらにしろ今日話そうと思っていた事だったけど……
「先輩、尚哉くん。とりあえず場所を変えましょう。そこでちゃんと話します……」
先輩と尚哉くんは渋々といった様子で頷く。
「んじゃさっさと帰りなさい。尚哉……って言ったっけ?俺を狩りたいならいつ来てもいいぜ。狩れるもんなら……な」
余裕の笑みを浮かべる先生に、尚哉くんは悔しそうに顔を歪めていた。
けれど、それ以上は何も言わずに真っ先に保健室を出て行った。