お兄ちゃんは悪魔サマ
「陵さん……悪魔は何の為に存在するんでしょうか?よく考えたらハンターに捕まった悪魔がどうなるのかすら知らない」
「悪魔の本質なんて、俺が知るわけないだろ。だいたい悪魔になる時は死んですぐな訳で、俺みたいな突然の場合は半分混乱したまま突っ走る」
「悪魔になるかどうかを考えられる時間は?」
「24時間だ」
たった1日……
でも俺ならどうする?俺なら、悪魔になってもこの世に留まりたいと思うか……?
そのまま死ぬ事と、悪魔契約が終わり魂が消滅する事。どちらも今の自我はなくなるんじゃないのか?
「陵さん……もし悪魔にならないまま死んだとしたら、その人はどうなるんですか?」
「……さぁ?」
「さぁって、何も知らないんですか!?」
「俺は悪魔になってまだ数ヶ月なんだよ。唯の事と、悪魔の仕事、毎日のエネルギー補給でいっぱいいっぱいだったんだ!!」
わざとらしい位に大きなため息をつく。
陵さんが少し睨んでいたが、役に立たないんだから仕方ない。
「この事を知っていそうな仲間はいますか?」
「……イグルス位じゃねぇかな。どこまで知ってるかは解んねぇけど。気になるのは八城。アイツは絶対何か知ってやがる」
確かに八城先生の事はずっと引っ掛かっていた。
唯とは既に接触してたんだろう。
唯も何かを求めて先生の所に行ったのかもしれないな……
俺も1度、ちゃんと話に行こう。