お兄ちゃんは悪魔サマ
「あの、すみません」
早速次の日、昨日の真相を確かめるべく生徒会長のクラスに来ている。
ちょうどドア付近に居た人を捕まえたところだ。
「生徒会長呼んで貰えますか?」
「ん?ああ。お~い白峰!かわい子ちゃんがお呼びだぞ」
白峰は生徒会長の名前。フルネームは白峰 葵(シラミネ アオイ)。
生徒会長は私に気づくと笑顔で近寄ってきた。
「やぁ、唯ちゃん。何か用?」
「昨日の事でお話があります」
生徒会長はちょっと考え込んで、私を屋上へ促した。
口元にニヤリと笑みを浮かべたのは、きっと私にしか見えなかったと思う。
それを見て、そっと口角を上げた私には誰も気づいていない……
無言のまま生徒会長の後をついていくと、屋上の給水タンクがある辺りに死角になる場所があった。
周りの確認は出来るけど、周りからは見えない。
会長はここから見てたんだ……
「話しって、唯ちゃんのお兄さんの事?」
「そうです」
「昨日はびっくりしたよ。ここでボーッとさぼってたらイキナリ2人の人が現れた。言い合いをして君が行った後、もう1人は猫になった。俺の目がおかしくなったかと一瞬焦ったよ」
「…………」
「どこかで見覚えのある男だと思って調べてみたら、死んだはずの君のお兄さんじゃないか。しかも、放課後にまたその猫が現れた」
生徒会長は楽しそうに話していた。