お兄ちゃんは悪魔サマ
俺が着替えて飯を食いに行こうとした時、部屋をノックする音が聞こえた。
「尚哉、帰ってるのか?ちょっと話がある」
兄貴か……きっと唯の事だよな。
情報を知るには話しておくに越したことはないけど……
俺はチラッと紗香を見た。
まぁ寝てるし、大丈夫か……
俺は部屋のドアを開けて、その場で話しかける。
「話って何?」
「今日1日ずっと唯の事を考えてた。……俺も協力するよ」
「はっ……!?」
予想だにしなかった兄貴の言葉に、すっとんきょうな声をあげちまった。
昨日の今日で手のひら返すなんて、絶対何かある……
まぁ協力するとか言って、土壇場になって邪魔するってとこか。
「俺なりにいろいろ考えたんだよ。そしてこの結論に至った」
「ま、いいけど。明日の放課後に唯と会う予定だ」
「そうか……。あのな、明日祖父さんの所に行こうと思うんだ」
「……何で?」
「いろいろ聞きたい事がある。父さんと母さんじゃ解らないだろうし」
聞きたい事……?
兄貴の事だからいろいろ考えてるのかもしれない。俺は肉体派、兄貴は頭脳派だからな。
でも、またじいちゃん家に行くのかよ……めんどくせぇ。
今日行ったばっかだっつーの……