お兄ちゃんは悪魔サマ
「んで、何を血迷ってこんなの捕まえて来たんだ……?」
「唯の為に決まってんだろ」
「唯の……?」
「ああ。まずは唯の死ぬ時を知る。じゃなきゃ何の作戦も考えらんねーじゃん」
作戦なんて言ってみても、実際は行き当たりばったりになるだろうけど……
・・・・・・
とにかく唯を助けられりゃいいんだからさ。
「そうだな……」
「あのぉ」
「……何だ?」
「唯さんって誰ですか?死ぬ時って……唯さん死んじゃうんですか?」
紗香にも一応説明しとくか。その方が楽に事を運べせうだし。
「いいか、明日唯に会って貰う。その時に唯の命がどの位残っているのかを見て欲しい」
「残りの命……?私に解るんですか?」
「はっ……!?悪魔なら解んだろ。えっと、よく知らねぇけど、こうどっか人の周りに数字みたいなのが見えたりすんじゃねーの?」
「数字……」
そう呟くと、紗香はやたらと俺をジロジロ見だした。
って、まさか……
「ああ、これですね!6…」
「わあぁぁぁっ。おまっバカか!!誰が俺のを言えっつった!!」
くそっ!
何か振り回されっぱなしな気がするぞ……