お兄ちゃんは悪魔サマ
「6……か。60年とかか?もしかして6年とか6ヶ月とか……」
「兄貴っ!!てめぇ勝手に人の寿命分析してんじゃねぇよ!」
「まぁいい。紗香ちゃんって言ったよね。とりあえず元の姿に戻れる?」
「あ、はい!ちょっと待って下さいね」
兄貴に言われて紗香は悪魔の姿に戻った。
腰まであろうかと言う長い黒髪、全体的にスレンダーで女の子にしては高めの身長、少し童顔で大人しそうな印象。
ついでに天然……
何かのゲームにこんなキャラクターがいたな……って感じ。
「紗香ちゃんは尚哉の部屋で暮らすのか?」
「はい!!」
「……ちょっと待て。俺そんな事言ってねぇ」
何で堂々と答えてんだか……
いくら悪魔っつっても、同じ部屋は勘弁だな。
「違うんですか……?それは困りますっ」
「はっ!?」
「だって、毎日のエネルギー補給しなきゃ……」
「……俺でする気なのか?」
「はいっ」
兄貴は妙にニヤニヤしながら、俺と紗香を交互に見比べている。
「連れてきた責任は自分で取れよ。可愛い子で良かったな」
迂闊だった。ただ捕まえる事しか考えてなかったからな……
無邪気に笑う紗香を見て、ため息が1つ零れた。