お兄ちゃんは悪魔サマ
「紗香ちゃん、本当に魔界に行けるのか?」
「だから本当です!!」
「そうか。それなら……」
兄貴は紗香に確認したと思ったら、1人でぶつぶつと考え出してしまった。
魔界に何かあるのか……?
あ!それより唯の……
俺は躊躇いつつ、唯に聞いた。
「唯、俺は紗香に唯の死ぬ正確な時を教えて貰おうと思ってる。唯は怖ければ知らなくていい。その時に邪魔されないように陵を捕まえとくから」
「私は……私は知りたい……。けど、少しだけ待って……?ちょっと屋上に行って来るね」
少しだけ唯が浮かべた笑顔は、こっちが辛くなる程痛々しかった……
「唯さん、大丈夫でしょうか」
「……解んねぇけど、俺が慰めるとかは間違ってる気がする。とりあえず唯の命の期限、教えてくれないか?」
「……残り10日と2時間ちょっとでした」
「10日か……」
「あのっ、やっぱり私唯さんの所に行ってきます!」
紗香は俺が止める暇もない程、あっという間にいなくなってしまった。
アイツ、屋上の場所解るのか……?