お兄ちゃんは悪魔サマ
少しだけ紗香ちゃんと話した私は、彼女と一緒に保健室に戻った。
「唯……決めたのか?」
「うん。決めた」
尚哉くんも先輩も固唾を飲んで私を見守っていた。
「私は聞かない」
「それでいいのか……?」
「うん。聞いても聞かなくても明日に怯えると思う。でも残り1週間、3日、1日…その日が迫った時、私の頭はそれしか考えられなくなる気がするの」
「聞かなかったら毎日、明日かもって考えないか……?」
「考えるかもね。でももう決めた!!だから知らなくていいの」
尚哉くんと先輩の後ろで浮かない顔をしていた紗香ちゃん。
ごめんね……
そして、ありがと……
「尚哉くん、先輩からも話は聞いた。2人とも嫌な役回りをお願いする事になってごめんなさい……」
「気にすんなよ。自分で決めた事だから」
「俺もだ」
「その日のお兄ちゃん、よろしくお願いします」
私は改めて深々とお辞儀をする。
2人にお願いする一方で、私はある事を考えていた。
私が死ぬその時を、お兄ちゃんに邪魔されない方法……